金属系サイディングで主に使用されているガルバリウム鋼鈑は錆びにくいように特殊なメッキでコーティングされています。
この表面を保護するメッキが衝撃などで傷がついて剥がれてしますと、内部の鋼鈑が露出してしまいます。そこに風で運ばれた塩が付着すると、塩は吸湿性が高いため雨などを吸収してそこが常に水に晒された状態になり、やがて錆が発生します。
腐食が進行するとやがて穴あきなどが発生し、雨漏りを起こしてしまいます。

窯業系サイディングやモルタルの場合でも、表面を保護している塗装は、塩害によって劣化は早くなります。
劣化してくると、手でさわると白い粉が付着するチョーキング現象や、色あせなどの劣化症状がでてきます。塩害の被害は初期症状は緩やかですが、一定期間を超えると加速度的に進行します。
これを放置していると、内部まで劣化が進行して、最悪の場合、躯体部までダメージが及んでしまうことがあります。そうなると塗装では対応できず、大規模な修理が必要となってしまうため、早めに再塗装などのメンテナンスを検討してください。

建物には雨戸やサッシ、樋、破風板など様々な機能をもつ部材が取り付けられています。
こうした部材を付帯部と呼びます。これら付帯部が金属である場合、保護する塗装が劣化してくると塩害によって錆が発生し、放置すると穴あきなどによって雨漏りが起こるリスクが高まります。

コンクリートも塩害によって受けやすい建材です。
コンクリートの内部は強アルカリ性であり、内部の鉄筋には酵素が化学吸着することで不動態被膜によって保護されています。
しかし許容量を超える塩分が入ってくると不動態被膜は破壊されてしまい、コンクリート内部にもともと存在する酸素と水によって鉄筋が酸化反応を起こして錆びてしまいます。
鉄筋がさびることで膨張し、やがてコンクリートにひび割れや剥離などを起こします。
そのため、海沿いの地域ではコンクリート外壁はおすすめできません。