外壁や内壁の塗り壁とは?種類や特徴について詳しく解説
2024/09/26
外壁や内壁の仕上げとして、塗り壁が採用されるケースもあります。塗り壁は広い面を継ぎ目なしで仕上げることができることがメリットですが、部分的に使用すると単調になりがちな壁のデザインアクセントにもなります。
本記事では外壁や内壁に使用される塗り壁について、種類や特徴、注意点について詳しく解説します。
塗り壁とは?
建物の外装や内装の仕上げに使用される塗り壁について、その特徴と代表的なものについて説明します。
外装で使用される塗り壁
外壁材に職人の手仕事で仕上げ材を塗り付けていくものです。下地となる外壁材は、窯業系サイディングやセメントボード、現場で塗り付けたモルタルなどがあります。
職人が使用する鏝(コテ)や櫛(クシ)の動きによって、陰影や凹凸の異なる様々なパターンを表現することが可能です。
外装で使用される塗壁は、漆喰に代表される天然系素材と各種メーカーが提供している樹脂系素材の大きく2種類に分けられます。
内装で使用される塗り壁
伝統的な日本家屋の壁仕上げは、ジュラク壁や漆喰(しっくい)、砂壁などの塗り壁が基本でした。現代では仕上げにビニールクロスが使用されることがほとんどで塗り壁の需要は激減しています。
しかし近年では塗り壁の調湿効果や消臭効果、有害物質を吸着する性質が健康素材として見直され、再び住宅の内装材として見直されています。
住宅の外装や内装に使用できる塗り壁材料
建物の外装や内装に使用できる代表的な塗り壁材料をご紹介します。
昔ながらの天然素材の塗り壁もありますが、施工できる職人は年々少なくなっています。代わりに台頭してきたのが樹脂素材の塗り壁です。
樹脂素材
・ジョリパット(商品名)
アイカ工業株式会社が販売するジョリパットは、様々なパターンとカラーバリエーションがあり、内壁・外壁問わず多くの壁面に使用されています。コンクリートブロックなどでできた塀などの外構に用いられることもあります。
イメージするデザインをさまざまな手法で実現できる自由度が特徴で、耐久性も高く長期間美しい外観を保ちます。
建築業界では一般名称化しており、樹脂系の塗り壁材料全般を総称して「ジョリパット」と呼ぶこともあります。
・シルキーパレット(商品名)
滑らかな手触りと美しい仕上がりが特徴のシルキーパレットは、ジョリパットを内装用に特化した樹脂素材です。シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを分解するだけでなく、調湿効果や消臭効果も得られ、健康に配慮した空間づくりをサポートします。
既存のクロス壁の上からも塗れるため、リフォームにも最適です。
天然素材
・漆喰(しっくい)
「呼吸する壁」と呼ばれる漆喰は、石灰化したサンゴに由来する天然素材で古くから日本の伝統的な家屋に使われてきました。内壁に使用すれば、湿気を吸ったり吐いたりすることで室内の湿度を快適に保つ調湿効果が得られます。
・珪藻土(けいそうど)
海藻の化石からできた珪藻土は、優れた吸湿性と消臭効果が特徴です。壁に湿気がこもるのを防ぎ、気になるニオイを吸着してくれます。また、調湿効果によって、結露防止にも役立ちます。
外壁を塗り壁にするメリット
外壁を塗り壁にすると、下記のようなメリットがあります。
高いデザイン性
住宅の外壁では窯業系サイディングや金属サイディングのような工業製品が多く使用されています。工業製品は冷たく無機質な印象を与える上に、似たような商品が多く流通るため、近くの建物と同じ外壁になってしまうこともあります。
その点、塗り壁は職人の手仕事によって生まれる、世界でたった一つのオリジナルデザインが魅力です。工業製品のような均一な仕上がりとは異なり、自然な温もりと奥行きを感じさせる表情豊かな壁面を創り出します。
継ぎ目のない壁
窯業系サイディングや金属サイディングのような外壁材は、パーツの組み合わせで壁面をつくるため、どうしても継ぎ目ができてしまいます。塗り壁は、現場で練った素材をコテで壁に塗るため継ぎ目が少なく大きな面で仕上げられることがメリットです。美しい壁面を実現できるだけでなく、塗膜が厚く耐久性が高いので長寿命でメンテナンスの手間を軽減できます。
高い耐火性能・耐久性能
古くから日本の伝統的な建物に使われてきた漆喰をはじめ、多くの塗り壁素材は、優れた耐火性と耐久性を誇ります。火災から家を守り、長寿命な外壁として建物を保護します。
内壁を塗り壁にするメリット
内壁を塗り壁にすると、下記のようなメリットがあります。
デザインアクセントになる
均一なビニールクロスとは異なり、塗り壁は職人の手仕事によって生まれる独特の風合いが、空間に奥行きと温もりを与えます。一部の壁面を塗り壁にするだけで、部屋全体がぐっとおしゃれで、居心地の良い空間に生まれ変わります。
また、塗り壁の凹凸やムラは奥行きのある表情を生み出します。視覚的な癒しを与え、心身のリラックス効果も期待できます。
室内の調湿効果
塗り壁は、まるで呼吸をするように室内の湿度を自然に調整してくれます。乾燥する冬は加湿し、湿度の高い梅雨の時期は除湿することで、一年を通して快適な湿度を保ちます。
塗り壁の調湿効果は、カビやダニの発生を抑制しアレルギー体質の方にも優しい室内環境を作り出します。
室内の消臭効果
塗り壁は、生活臭やペットのニオイを吸着し、室内の空気を浄化します。また、建材から出るホルムアルデヒドなどの有害物質も吸着することで、健康に配慮した住空間を実現します。
塗り壁のデメリットと注意点
塗り壁を採用する際に注意すべき点もいくつかあります。
初期費用が高い
塗り壁はオーダーメイドの洋服を作るようなもので、職人の手仕事によって一つひとつ丁寧に仕上げられるため、一般的な外壁材と比べて高価になります。その分、世界でひとつだけのオリジナリティあふれる空間を作ることができます。
費用をおさえるポイントとしては下記が挙げられます。
✅部分的に採用する
全ての壁を塗り壁にするのではなく、玄関周りやリビングの一部など、アクセントになる場所に絞ると費用を抑えられます。
✅足場を減らす
地上から脚立で手の届く範囲に塗り壁を限定すると、足場を組む範囲を最小限にできますので費用を削減できます。
✅工期を確保する
塗り壁の施工には時間が掛かりますし、外部作業になると天候により施工できる日が限定されます。余裕のある工期を確保することで、無理のない作業計画が立てられるため人件費を抑えることができます。
経年で汚れやすい
塗り壁は、その美しい風合いを出すために、表面に凹凸が作られています。そのため、ほこりや汚れがつきやすく、特に外壁の場合は、車の排気ガスなどで黒ずんでしまうことがあります。
美観を保つためには、定期的に高圧洗浄などの清掃を行うことが必要になります。
メンテナンス費用が高い
塗り壁は、一度施工すると後から簡単に張り替えたり塗装したりすることができません。そのため、リフォームの際には既存の塗り壁を剥がす必要があるため、余計に費用がかかります。
塗り壁を外壁に採用する場合は、可能な限り軒をつくり直射日光や風雨の影響を受けないようにするなど、劣化を遅らせるような対策をしておくと安心です。
業者の施工技術による品質のバラつきがある
塗り壁は、職人の技術によって仕上がりが大きく左右されます。経験豊富な職人が施工すれば、美しい壁面が完成しますが、そうでない場合は、仕上がりにムラが生じたり、ひび割れが発生する可能性もあります。
多くの実績があり、信頼できる業者を選びましょう。
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