要注意!雨漏りがシロアリを呼び込む?専門家が教える被害の予防と対策
2024/11/29
木造住宅の大敵であるシロアリですが、雨漏りとシロアリの発生には密接な関係があることをご存じでしょうか?
シロアリ被害に遭わないためには、雨漏りの早期発見と適切な対応が重要なのです。
今回は雨漏りに関連するシロアリ被害を防ぐための方策と、対処方法について詳しく解説します。
雨漏りとシロアリの関係
雨漏りする木造建物にはなぜシロアリが発生しやすいのでしょうか?それにはシロアリの好む生育環境が関係しています。
シロアリの種類
日本に生息するシロアリには、いくつかの種類があります。
ヤマトシロアリ
本土で最も一般的なシロアリの種類がヤマトシロアリです。体長は4~5mm程度で、地中に巣を作ります。
湿った木が好物で、地面から基礎伝いに蟻道を作って木造住宅の土台や柱などの木材を好んで食害します。
イエシロアリ
主に西日本や沖縄に分布しており、体長5~6mm程度でヤマトシロアリより大きいのが特徴です。
乾燥に強く、建物の高所まで被害を及ぼすことがあります。地中だけでなく、建物内部にも巣を作ることがあるため要注意です。
ダイコクシロアリ
沖縄や九州南部に生息する日本最大級のシロアリで、体長6~7mmあります。非常に活力があり、短期間で大きな被害をもたらします。
タイワンシロアリ
南西諸島に生息する熱帯性のシロアリで、温暖な気候を好みます。建物だけでなく、生きている樹木も喰い荒らします。
アメリカカンザイシロアリ
アメリカカンザイシロアリは、本来はメキシコやアメリカの太平洋沿岸部に生息する外来種のシロアリです。
近年猛威を振るっており、ヤマトシロアリやイエシロアリが湿った木材を好んで食べるのに対して、乾いた木材を好んで食べるのが特徴です。
国内では気候変動や都市化の影響で年平均気温が上昇しており、南方系のシロアリが徐々に生息地を北上させている傾向が見られます。これまでヤマトシロアリしか見られなかった地域でもイエシロアリやダイコクシロアリの被害が確認された事例も出ており、寒冷地であるからといって安心はできません。
雨漏りがシロアリを招く理由
シロアリは、種類や地域によって多少異なりますが、一般的に湿気のある暗く暖かい場所を好みます。
水分・温度・暗闇の三つの条件が揃う箇所が危険ということになるため、雨漏りが発生して常に湿潤な状態になっている壁内や土台などの建物内部の木材はシロアリの絶好の餌食になってしまうのです。
シロアリ被害の早期発見方法
もっとも多いヤマトシロアリの場合は、建物の基礎側面に土のトンネルのようなもの(蟻道)を作り、建物の構造体に侵入します。この蟻道の早期発見が被害を最小限に食い止めるポイントです。
シロアリが成長して羽アリとなって出てきたときには、既に大きな被害が発生していると考えて間違いありません。
シロアリ被害を早期に発見するためのポイントとして、下記の事が挙げられます。
✅予防措置の実施
✅定期的な点検の実施
✅被害の早期発見
✅専門家への適切な相談
これらの対策を適切に行うことで、建物の長寿命化と資産価値の維持につながります。
心配な点がある場合は、早期に専門業者に相談することをおすすめします。
シロアリが発生したらどうする?駆除と防除について
シロアリ被害には早期の発見と対策が重要です。
予防的措置である防除と、被害が発生した後の駆除について詳しく解説します。
シロアリの防除
✅土壌処理
床下や基礎部分の土壌に薬剤を散布または注入する方法です。シロアリの巣や侵入経路を遮断し、予防効果を高めます。
✅建物の防蟻処理
薬剤散布: 土壌や木材に防蟻剤を散布することで、シロアリの侵入や活動を抑えます。
物理的バリア: 金属製のシートやフィルムなどで、シロアリの侵入経路を防ぎます。
マイクロカプセル工法: 薬剤を微細なカプセルに封じ込め、土壌に散布する方法です。薬剤が徐放され、長期間効果が持続します。
ベイト式防除: シロアリが好む餌に毒性のある成分を混ぜ、巣全体に効果を広げる方法です。
✅木材の薬品処理
防腐剤や忌避剤の塗布: 新築時に土台や柱などの木材にあらかじめ防腐剤や忌避剤を塗布することで、シロアリによる被害を未然に防ぐ方法です。
✅床下換気の改善
換気扇の設置: 床下の湿気を排出することで、シロアリの生育環境を悪化させます。
通気口の確保: 床下と外部の空気を循環させ、湿気をこもらせないようにします。
✅水廻りの点検
漏水箇所の修理: 水漏れはシロアリにとって格好の水分源となるため、早急に修理しましょう。
排水溝の清掃: 排水溝に溜まった汚れは湿気を発生させる原因となりますので、定期的に清掃を行いましょう。
シロアリの被害調査
シロアリの被害が疑われる場合は、早期に専門業者に調査を依頼しましょう。
専門業者は、床下に潜り被害状況を目視で確認するだけでなく、建物の構造を理解した上で想定される被害範囲を推定し、薬剤の種類や散布範囲などの適切な対策を提案してくれるでしょう。
シロアリの駆除
シロアリの駆除は、合成ピレスロイド系化合物やネオニコチノイド系化合物の薬剤を被害箇所に散布あるいは注入した上で、床下や基礎部分の土壌に薬剤を散布または注入する方法が一般的です。
近年、注目されているのがホウ酸塩処理です。ホウ酸はシロアリに対して高い毒性を持つ一方で、人体への影響は低いとされています。
費用の目安
床下調査:2~5万円
予防処理:15~30万円
駆除処理:20~50万円
被害修復:状況により異なる
費用は、建物の大きさや被害の程度、使用する薬剤の種類などによって大きく異なります。薬品によって効果が持続する期間も異なりますので、専門業者に良く確認するようにしましょう。
工事を検討する際には複数の業者に調査と見積を依頼し、比較のうえで依頼先を決定することをおすすめします。
シロアリ予防のための雨漏り対策
建物に雨漏りが発生すると、柱や土台などの木材を湿らせてシロアリの格好の餌場を作り出してしまいます。
雨漏りを予防し、万が一発生したとしても早期に気付き対策することによってシロアリ被害を防ぎ、建物の寿命を伸ばすことにつながります。
定期的な点検で早期発見を
雨漏りは、早期の発見と対策が重要です。以下のような点検を定期的に行い、雨漏りのサインを見逃さないようにしましょう。
梅雨前や台風シーズン前、冬期前など雨が多い時期を中心に点検を行いましょう。
建物の内装や建具に次のような症状が現れたら要注意です。早めに専門業者に点検を依頼しましょう。
【内装表面の異常】天井のシミ、壁紙の変色、塗装の剥離
【室内の湿気】カビの発生、じめじめした臭い、湿った感触
【建具の異常】建具の変形、建具の動きの悪さ
【床の異常】フローリングの膨れ、床の傾きなど
雨漏りの対策
雨漏りが発生してしまった場合は、まずは水濡れ箇所を拡大させないための応急処置を行い、その後原因箇所を特定して恒久的な雨漏り対策を実施しましょう。
応急処置
・雨漏り箇所の特定:漏水箇所を特定し、雨水の侵入経路を遮断します。
・仮補修材での保護:バケツやビニールシートなどで雨漏り箇所を保護し、室内への浸水を防ぎます。
・室内の換気:加湿器の使用を控え、除湿機を使用するなどして室内の湿度を下げます。
・水濡れ箇所の乾燥:扇風機やドライヤーなどで水濡れ箇所を乾燥させ、カビの発生を防ぎます。
恒久的な対策
・屋根材の補修・交換:瓦のズレ、ひび割れなどを補修し、防水性を回復させます。
・防水層の修繕:屋根や外壁の防水層を点検し、劣化している箇所は修繕します。
・排水系統の改善:雨樋の詰まりや破損を修理し、雨水がスムーズに流れるようにします。
・外壁の補修:ひび割れやコーキングの劣化を補修し、外壁の防水性を高めます。
部位別具体的な雨漏り対策
シロアリ被害を防ぐための雨漏り対策を建物の部位別にまとめてみました。
専門業者の点検が入った際には、このような箇所を重点的にチェックしてもらい、再発しないよう徹底的に対策を取りましょう。
【屋根・外壁】定期的な屋根点検と早期補修、外壁のひび割れやコーキングの劣化確認と補修、雨樋の清掃と点検、軒天や破風板の腐食チェックと補修など
【基礎・土台】基礎パッキンや防湿シートの適切な設置、基礎と外壁の取り合い部分の防水処理、土台水切りの設置と点検、基礎周りの排水溝の清掃と整備など
【床下】適切な床下換気口の設置と清掃、床下防湿シートの敷設、床下点検口の設置による定期確認、結露対策としての断熱材の適切な施工など
【外構】建物周囲の適切な排水勾配の確保、雨水桝の定期的な清掃と点検、植栽の根による基礎への影響防止、散水設備からの漏水防止など
【水回り】配管の定期点検と漏水箇所の早期発見、浴室やキッチンの防水層の点検、給排水管周りの防水処理の確認、結露による水滴の適切な処理など
千葉県市原市周辺での雨漏り点検はヨネザワ装工へご相談ください
雨漏りが発生すると、シロアリ被害に遭いやすくなるだけでなく建物の寿命を縮めてしまいます。定期的な点検と適切な対策を行うことで、雨漏りを防ぎ、建物を長寿命化し、長く快適に建物を使用することができます。
ヨネザワ装工は、千葉県市原市を中心に外壁や屋根の塗装工事、防水工事を請け負う専門工事店です。経験豊富な専門技術者が綿密な現地調査を実施した上で、お客様のご希望を汲み取った最適な修繕計画を立案し、経験に裏付けされた間違いない工法を提案させていただきます。
雨漏りでお悩みの方は、ぜひお気軽にお声がけください!
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