屋根にカビや苔が生える原因は?対処法や塗装による予防策もご紹介
2024/07/24
屋根にカビや苔が生えるのは、屋根材に施された塗装の劣化が大きな原因です。特に、スレート系屋根材、セメント瓦で目立つカビや苔が発生しがちです。屋根にカビや苔が生えたら、高圧洗浄、バイオ洗浄で落としたうえで塗装工事を行う必要があります。
屋根にカビや苔が生える原因
屋根は古くなるとカビや苔が生えることがあります。カビや苔が生えると美観を損なうだけでなく、屋根材にも深刻なダメージを与えてしまい、雨漏りの原因になることもあります。
屋根にカビや苔が生える原因は、結局のところ、経年劣化が原因ですが、より細かく突き詰めると次のような理由になります。
日当たりが悪いといった環境によるもの
屋根が古くなると必ずカビや苔が生えるわけではありません。
カビや苔が生えやすい屋根材と生えにくい屋根材がありますし、カビや苔が生えやすい屋根材でも場所により程度の差が生じることもあります。
カビや苔が生えやすい場所は、直射日光が当たりにくい場所です。例えば、北側の屋根や1階の屋根部分に相当する下屋根は、直射日光が当たりにくいためにカビや苔が生えやすくなります。
また、近くに山林や森林がある環境の場合も、湿気が多くなるため、方角に関係なくカビや苔が生えやすいです。
塗膜が劣化している
屋根材の中には塗装により美観を維持しているものもあります。例えば、セメントを主な原料とするスレート系屋根材、セメント瓦といった屋根材です。
こうした屋根材は、塗装が劣化することにより、美観が損なわれるだけでなく、塗膜が剥がれた部位を中心にカビや苔が生えやすくなることもあります。
このような場合はカビや苔を洗い流したうえで、再塗装することにより、カビや苔が広がることを防ぐ必要があります。
屋根の防水効果が失われている
屋根材の中には塗装により防水性能を維持しているものもあります。スレート系屋根材、セメント瓦は、素材であるセメント材自体は防水性能がないため、塗装の劣化と共に防水性能も失われます。
防水性能が失われると、屋根材が湿った状態にある時間が長くなるため、カビや苔の胞子が根を張りやすくなってしまいます。
カビや苔が生えることによる屋根材への影響
屋根にカビや苔が生えているのに放置していた場合、どのような影響があるのでしょうか。
屋根の美観が損なわれる
一番の問題は屋根の美観が損なわれることです。
人が建物を観察するときは、正面だけでなく、見上げる角度で観察することになるため、屋根にカビや苔が生えている様子が一目瞭然だとそれだけで建物に対するイメージはマイナスになってしまいます。
屋根にカビや苔が生えていると建物内部にも雨漏りやカビが発生していて、かび臭いのではないかとの印象を抱いてしまうこともあります。
屋根材の強度が劣化する
屋根材にカビや苔が生えても、屋根材が直ちに深刻なダメージを受けるわけではありませんし、雨漏りの原因になるわけでもありません。
ただ、カビや苔が生えているということは、屋根材の防水性能が失われて、表面が脆くなっている証拠なので、そのまま放置すると、屋根材が吸水と乾燥を繰り返すことにより、表面だけでなく、内部まで脆くなり、割れ、欠けが生じやすくなります。
屋根材に割れ、欠けが生じると雨漏りの原因になってしまいます。
そのため、カビや苔が生えている場合は、洗い流すだけでなく、再塗装するなどして、防水性能を回復させることが重要になります。
屋根のカビや苔の落とし方
屋根のカビや苔を落とすには、高圧洗浄を行うのが一般的です。
高圧洗浄を行う際の注意点は次のとおりです。
屋根の高い位置から下に向けて洗浄する
高圧洗浄機を使う際に注意したいことは、屋根の高い位置から勾配に沿って下に流すように洗浄することです。
下から上に向けて高圧洗浄してしまうと、屋根材の隙間に水が入り込んでしまい、雨漏りを生じさせる恐れがあります。
滑落事故に注意する
ただでさえ危険な屋根の上で高圧洗浄機を使うわけですから、洗浄後は濡れて滑りやすくなります。
そのため、滑りにくい靴を履くなどして十分に注意する必要がありますし、勾配のきつい屋根の場合は、屋根にも足場をかけて作業しなければなりません。
家主の方がご自身で屋根の洗浄作業を行うことは大変危険なので、全くお勧めできません。
ご自身でできるのは、1階の屋根部分に相当する下屋根に向けて部屋の中から高圧洗浄機をかけることくらいでしょう。下屋根でもご自身が屋根に直接上がって洗浄作業を行うことは絶対に避けてください。
念入りな養生を行う
高圧洗浄機を使うと大量の水が流れ落ちることになります。建物の周りは水浸しになりますし、状況によっては隣の家まで水しぶきがかかってしまうこともあります。その水は、カビや苔が混じっているわけですから、お隣の外壁にカビや苔混じりの水を吹き付ける形になってしまうこともあります。
そのような事態を防ぐためには、高圧洗浄の前に、足場をかけてシートを張り巡らすなどして、カビや苔混じりの水が広範囲に飛び散らないように養生することが大切です。
屋根材の状況によっては高圧洗浄機を使えないこともある
屋根材にカビや苔が生えるだけでなく、脆くなっている場合は、高圧洗浄機の圧力で屋根材が壊れてしまう危険があります。また、屋根材に浮きや剥がれがある場合は、高圧洗浄によって隙間から水が入り込んで雨漏りしてしまう可能性があります。
このような場合は、高圧洗浄機を使わずに洗浄する必要があります。
屋根のカビや苔が高圧洗浄でも落ちない場合
カビや苔の繁殖が進んでいて、屋根材の深くに根を張っている状態の場合は、高圧洗浄だけでは落ちないこともあります。
この場合は、バイオ洗浄と呼ばれる洗浄方法が検討されます。
バイオ洗浄は、酸性またはアルカリ性の溶液を使って洗浄する方法です。ただの水道水だけで洗浄するよりも、カビや苔を落としやすくなります。
バイオ洗浄のやり方は2つあります。
ローラーで屋根にバイオ洗浄剤を塗った後で、時間をおいて通常の水道水で高圧洗浄する方法とバイオ洗浄剤と水道水を混ぜて高圧洗浄する方法です。
バイオ洗浄では、酸性またはアルカリ性の溶液を使うため、養生と後始末が非常に大切です。
建物の周りに植栽や水槽がある場合は、酸性またはアルカリ性の溶液がかかることで枯れてしまったり、水槽の魚介類が死んでしまう恐れがあるので、溶液がかからないように念入りに養生する必要があります。
また、酸性またはアルカリ性の溶液が屋根や外壁に残ったままだと、劣化させてしまう原因になるため、通常の水道水で念入りに高圧洗浄する必要があります。
屋根のカビや苔の再発生を防ぐための塗装工事
屋根にカビや苔が生えている場合は、屋根材が雨水を吸水しやすい状況になっているため、洗浄後そのまま放置すると、カビや苔が再発生してしまいます。
そのため、塗装などの対策を講じる必要があります。
カビや苔の再発生を防ぐ目的で塗装工事を行う場合はいくつかのポイントがあります。
耐久性の高い塗料を選ぶ
屋根材の深くに根を張るようなカビや苔は、塗装の劣化が原因で発生します。そのため、塗装の性能をなるべく長く維持できるようにすることが、カビや苔の再発生を防ぐためのポイントになります。
そのためには、耐用年数の長い塗料を選ぶようにしましょう。
主な塗料と耐用年数は次のとおりです。
✅アクリル塗料
5年~7年
✅シリコン塗料
10年~13年
✅フッ素塗料
15年~20年
✅無機塗料
20年以上
最低でもシリコン塗料以上の塗料を選ぶことで、カビや苔の再発生を長期間予防することができます。
防カビ防藻機能のある塗料を選ぶ
カビや苔が発生しやすい環境にある場合は、通常の塗料を塗るだけでは、カビや苔の再発生を予防することが難しいこともあります。
その場合は、防カビ防藻機能のある塗料を選ぶようにするとよいでしょう。
もっとも、現在、屋根材に使われている塗料は、標準で防カビ防藻機能が付加されていることも多いため、一般的には防カビ防藻機能を意識する必要はありません。
カビや苔が目立ちにくい色の塗料を使う
再塗装しても、歳月が経てば、再び、カビや苔が発生することは避けられません。
その場合に備えて、カビや苔が目立たない色の塗料を塗っておくこともポイントと言えます。
カビや苔は紫外線を浴びることにより茶色に変色するため、ブラウン系の塗料を塗るとカビや苔が目立ちにくくなります。
また、苔はもともと緑色なので、グリーン系の塗料も苔を目立ちにくくするのに有効です。
なお、カビや苔の発生は、屋根のメンテナンス時期のサインにもなるため、カビや苔が目立たない色を選んでしまうとメンテナンス時期を見逃してしまう恐れもあります。
屋根にカビや苔が生えているならメンテナンスのサイン
屋根にカビや苔が生えているならば、メンテナンスを行うべき時期が到来したことを示すサインになります。
屋根にカビや苔が生えただけでは、直ちに屋根材に深刻な影響があるわけではなく、また、雨漏りにつながるわけでもありません。
しかし、そのまま放置した場合は、屋根材の劣化によって雨水が染み込みやすくなり、下地材まで影響が出てしまう恐れがあります。
下地材が劣化するほどになっている場合は、屋根材はもちろんのこと、下地材も張り直さなければならないなど、屋根の本格的なリフォームが必要になってしまいます。
屋根にカビや苔が生えているだけの段階で、洗浄を行い、再塗装すれば、屋根材を長持ちさせることができますし、メンテナンスにかかる費用も抑えることができます。
千葉県市原市での屋根の塗装工事はヨネザワ装工へご依頼ください
ヨネザワ装工は、千葉県市原市を中心に、屋根の塗装工事等を請け負っている職人直営店です。屋根の塗装工事以外にも、外壁塗装、ベランダ等の防水工事も請け負っています。
いずれの工事も、当社の職人が直接施工いたしますので、中間マージンがかからず、本当に塗装工事に必要な費用だけで施工することができます。
屋根のカビや苔をきっかけにご依頼いただいた場合も、丁寧にカビや苔を洗い流してから、カビや苔に強い塗料を使って、屋根を長持ちさせるための塗装工事を行わせていただきます。
屋根の塗装工事はもちろん、外壁の塗装、ベランダの防水等でもでお悩みのことがある方は、ぜひ、ヨネザワ装工へご相談ください。
屋根塗装に関する豆知識はコチラ!