鉄骨階段の錆には要注意!症状とメンテナンス方法について
2024/10/29
建物の外部階段は鉄骨製で作られていることが多く、放置すると錆びてしまうため定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスを怠り塗装では対応できないほどに錆が進行すると、鉄骨階段の交換工事になってしまい高額の費用が掛かることもあるでしょう。
特に設備保守や外部避難用の階段は日常的に使用するものでないため、気が付かないうちに腐食が進行していることもあり危険です。
本記事では鉄骨階段の錆が発生する原因と、塗装によるメンテナンス方法について解説します。
賃貸マンションやアパート、商業施設や工場などの鉄骨階段がある建物の維持管理にお役立てください。
鉄骨階段に発生する錆の種類
ひと口に「サビ」と言っても、いくつかの種類があります。
一般的には赤錆のことを指しますが、錆の中には特に気にする必要のない種類のものもあります。
赤錆
日常生活でも多く見られるのが赤錆です。赤錆は酸化鉄のことで化学式では「Fe2O3」と表され、自然界にはこの状態で存在します。そのため、鉄は放置すると赤錆の状態になってしまうことは避けられません。
赤錆は進行すると剥がれ落ちてしまいますので、鉄の強度が大幅に低下してしまいます。
黒錆
黒錆は、新品の鉄製品の表面保護のために化学反応によって人為的につくられた酸化膜になります。
黒錆は赤錆と違い、鉄を腐食させることのない良性の錆です。表面に見られたとしても心配する必要はありません。
もらい錆
「もらい錆」と呼ばれる、表面に付着した鉄粉が酸化してできる軽微な赤錆もみられます。
これは、金属加工を行う工場や工事現場の周辺でよく見られる現象です。本体の金属が錆びたものではないため、金属自体が腐食するわけではありませんが、放置すると塗装を傷め、やがては本体の金属にまで錆が広がる可能性があります。
初期の段階であれば、柔らかい布などで拭き取るだけで簡単に落とすことができます。
こびりついてしまった場合は、ワイヤーブラシなどで優しく擦り落とすようにしましょう。
鉄骨階段が錆びる原因
鉄は空気中の酸素と結びつきやすく、自然の状態では酸化鉄となって安定しようとします。
そのため、鉄をむき出しの状態にしておくと酸化が進み、赤錆が発生してしまうのです。
錆の原因
錆は、鉄が空気中の酸素や水分と反応して起こる化学変化です。
特に塩分や酸性物質が含まれている環境では、この反応が加速し、錆が発生しやすくなります。そのため、海沿いや工場地帯など空気中に有害な物質が多い場所では、鉄製品は非常に錆びやすいと言えます。
錆が発生することのデメリット
錆は鉄製品の美観を損なうだけでなく、鉄の強度を低下させ構造物の寿命を縮める原因となります。
特に、鉄骨階段のように人の移動を支える構造物では、錆による強度低下は非常に危険です。
鉄骨階段の錆のメンテナンス方法
鉄骨階段の長期的な耐久性を確保するためには、以下の対策が有効です。
✅環境対策
✅点検と補修
✅塗装による防錆
✅メッキ処理
環境対策
鉄は水に弱く、錆びやすいものです。鉄骨階段を雨や風から守るために、屋根や囲いを付けると良いでしょう。
そうすることで、長く使える丈夫な階段になります。
点検と補修
鉄骨階段の安全性を確保して大規模な修繕の発生を防止するためには、日常的な点検が欠かせません。
定期的な目視点検により早期に腐食箇所を発見し細かな部分補修を行うことで、結果的に寿命を伸ばすことにつながります。
塗装による防錆
鉄骨階段の腐食防止には、定期的な塗装による防錆処理が不可欠です。
鉄骨用防錆塗料を用いた塗装は、長期的な耐久性を実現し、構造体の寿命を延ばす効果があります。塗装サイクルは、使用環境や塗料の種類によって異なりますが、一般的には10〜15年が目安となります。
メッキ処理
鉄骨階段の腐食が進行してしまいますと、塗装による修繕が不可能になるケースもあります。鉄骨階段そのものの更新が必要となった場合には、亜鉛メッキ処理を施した製品を選択することで高い防錆性能と長期的な耐久性を実現できます。
鉄骨階段塗装の施工手順
鉄骨階段の赤錆が進行してしまったら、塗装によるメンテナンスを検討しましょう。その際には、まずは専門工事業者に点検をしてもらい、見積もりを取得することになります。
錆の程度によって施工方法と手順は異なりますが、推奨する塗装工程は下記の手順となりそれぞれの工程のポイントを以下に解説します。
【鉄骨階段の標準的な施工手順】
✅錆と劣化した表面塗膜の除去(ケレン)
✅溶接による鉄部補修
✅錆止め塗料の塗布
✅中塗り
✅仕上げ塗り
錆と劣化した表面塗膜の除去(ケレン)
塗装の際は、表面だけでなくその下の部分もしっかりと手入れすることが大切です。錆が残っていると、塗料の下でどんどん広がってしまい、後で大きな問題になることがあります。
鉄部塗装の「ケレン作業」とは、表面の錆びや古い塗料を剥がす工程のことで、塗装の密着性を高め耐久性を向上させるために不可欠な下地処理工程です。特に鉄骨階段においては、腐食防止と安全性の観点から丁寧なケレンが求められます。
ケレン作業には、1種ケレンから4種ケレンの4段階あります。1種が最も手間が掛かる徹底した除去作業で、4種は簡易的な手法になります。
下記に詳細を記しますので、工事見積のチェックなどにお役立てください。
1種ケレン
1種ケレンは最も徹底した表面処理方法で、「ブラスト」の方法を用いて実施するケレン作業です。
ブラストとは砂や金属片などを高圧で金属表面に吹き付ける手法で、腐食が深刻な場合や塗膜との密着性を特に高めたい場合に有効です。
2種ケレン
2種ケレンはサンダーなどの回転系の電動工具を用い、機械的に錆や旧塗膜を除去する方法です。
1種ケレンに比べて表面の削り具合は若干劣りますが、構造に関わる鉄部の修繕においては多く採用される方法です。
3種ケレン
金属表面の錆や密着が弱くなった塗膜をサンドペーパーやワイヤーブラシで除去する方法です。薄い鉄板を使用している屋根や外壁の修繕において採用されます。
住宅外装の塗装メンテナンスでは、3種ケレンを採用しているケースが多いようです。
4種ケレン
4種ケレンは、表面の清掃を目的とした簡易的な処理であり、錆の完全除去は困難です。そのため、下地処理としては不十分であり、長期的な防錆効果が期待できません。
*溶接による鉄部補修
ケケレン作業後、構造物の腐食状況を詳細に調査して必要に応じて補修を行います。
鉄骨部材の腐食が確認された場合は新規の鉄板を溶接して補強します。また、付属物の劣化も併せて点検し、必要であれば専門業者による補修を依頼します。
錆止め塗料の塗布
鉄部の塗装においては、ケレン作業でしっかりと錆を落とした後、仕上げ塗装の前に錆止め塗装の工程が入ります。
錆止め塗装は鉄が錆びるのを防ぎ、寿命を延ばすために必須の工程です。
錆止め塗料には、油性、水性、エポキシ樹脂系など様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。エポキシ樹脂系塗料や油性塗料は非常に強い膜を形成します。乾きが早く耐久性が高いとされますが、有機物を使用するため強い臭気が発生するのが難点です。
水性塗料は臭いが少なく安全性が高いため、健康と環境に配慮し使用されるケースが増えています。
また、錆を除去しきれない部分に「錆転換剤」を併用することで、錆の進行をさらに抑制することができます。
どの錆止め塗料を選ぶかは、部位の状態や作業環境、あるいは予算などによっても異なりますので、専門の業者に相談することをおすすめします。
中塗り
錆止めの上に塗る仕上げ塗装は、中塗りと上塗りの2工程に分けて実施します。(塗料によっては1回塗りや3回塗りのものもあります)
中塗りは、下地との密着性を高めて上塗りとの一体感を出すための工程です。仕上げ塗りと同じ塗料を使用し、均一に塗ることが大切です。
上塗り
上塗りは外観を決定する重要な工程です。ムラなく綺麗に塗るために、気温や湿度条件に注意しながら一気に作業を行います。
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改修工事期間もお客様や近隣の皆様のご不便にならないよう、配慮した施工を心掛けております。
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