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鉄部塗装の必要性とサビ止め塗料について

2022/10/01

外壁塗装をするときに、なぜ鉄部塗装は必要なのでしょうか。
建物の鉄部に出るサビは、一度発生してしまうとその後出続けてしまいます。サビが発生した箇所は見た目が悪くなるだけでなく、鉄の強度が落ちます。

強度が落ちた手摺が壊れてしまうようなことになれば、大きな事故につながる可能性もあるため鉄部の塗装が必要になります。外壁塗装を検討する場合には鉄部塗装を同時に行うようにしましょう。

外壁・屋根にある鉄部

建物には鉄が使われている箇所が意外と多くあります。ご自宅のどこに鉄部があるかを把握しておくことで、劣化状況の確認ができ、外壁塗装を行うときには塗り忘れがないようにチェックすることもできます。以下に鉄部が使われている箇所を説明します。

屋根の板金部分

住宅の屋根には、瓦葺きやガルバリウム鋼板による立平葺き、スレート葺きなどの仕様があります。スレート葺きの屋根は広く普及していて、カラーベストなどと呼ぶこともあります。
スレート自体が錆びることはありませんが、スレート屋根の棟部分にある棟板金は、鉄が使われていることがあります。棟板金は、屋根の頂点部で雨漏りを発生させない役割を果たしているので、経年などにより劣化しているようであれば塗装をするようにしましょう。

雨戸・鏡板

雨戸や戸袋表面の鏡板も鉄部になります。最近では、耐久性に優れたガルバリウム鋼板を使ったものもありますが、ガルバリウム鋼板も鉄板を亜鉛メッキなどで被覆して塗装をかけたものなので、年数を経て紫外線の影響を受ければ劣化します。サビが出てくるようであれば、周囲へ広がる可能性もあるので塗装を検討したほうがよいでしょう。

門扉・階段手摺・柵

玄関の門扉や階段手摺、敷地まわりに設置されているフェンスや柵も鉄製のものがあります。特に風雨にさらされていることが多い箇所なのでサビが発生しやすい箇所になります。

階段の手摺は、サビが進行して壊れるようなことがあれば、落下事故につながりかねないので、塗装をして維持管理することが大切になります。

金属サイディング

外壁の仕上げ材に使われている金属サイディングも鉄部にあたります。金属サイディングにもガルバリウム鋼板が使われています。耐久性があるので、サビは発生しにくいのですが、亜鉛メッキが酸化して発生する白サビが出やすい箇所になります。

また、傷つきやすい素材であるため、傷つき塗料がめくれたところからサビが発生する可能性もあります。劣化具合をみて塗装を検討する必要があります。

サビが発生する原因

住宅でどこに鉄が使われているか知ることができたでしょうか。
それでは、鉄部の劣化を進行させるサビはどのようにして発生するのでしょう。サビは、鉄が雨水や空気中の湿気に触れて酸化したことによって酸化鉄になったものです。

塗装がきれいな状態で鉄部を覆っている時には、酸化は進行しません。塗装が劣化し、ひび割れやめくれが発生したところから雨水などが侵入してサビが発生するのです。

また、サビは放置すると周囲に広がる特性があります。鉄部で発生したサビが、周りにある金属サイディング製の外壁に付着して新たにサビが発生するのです。いわゆる「もらいサビ」です。

鉄部塗装の劣化は、住宅全体にサビを発生させる原因になる可能性があるので、状態を確認して塗装を検討するようにしましょう。

鉄部塗装の方法

鉄部塗装は、塗装前の下地処理が大切になります。サビの発生状況に応じて、適切な下地処理をしてから塗装を行うことで新たなサビの発生を防ぐことができるからです。

特にサビが発生している状態では、塗装する前の下地調整作業として、サビを落とすケレン作業が必要になります。鉄部塗装を依頼するときには、サビの発生具合に応じた下地処理作業を行っているか確認するようにしましょう。

サビが発生していないとき

鉄部にサビが発生していない場合は、やすりを使用して塗装表面に細かい傷をつけることで、接着面積を増やして塗料がのりやすいように下地処理をしてから塗装します。

サビの発生が軽度なとき

サビの発生が、鉄部表面積の30%未満の場合、やすりやスクレーバー、金属製のブラシを使って手作業でサビを落としてから塗装を行います。

サビの発生が重度なとき

表面積の30%以上の範囲でサビが発生しているときは、電動のディスクサンダーなどを使用して、サビとその下にある古い塗膜を一緒に取り除きます。サビの原因になった古い塗膜を除去しなければ、新しい塗膜をつくっても再びサビが発生するので、必ず古い塗膜を除去してから塗装を行います。

塗装で対応できない状態

サビの発生状況があまりにもひどく、大きく穴が開いていたり、鉄部の耐久性に問題がある状態になっていると塗装でメンテナンスを行うことはできません。大きな事故が発生する前に鉄部の交換を専門業者に相談するようにしましょう。

サビ止め塗料について

サビを落とすケレン作業と同様に下地処理作業として大切なのがサビ止め塗料です。
鉄部塗装は、ケレン作業を行っても再びサビが発生する可能性があるので、下塗りの工程としてサビ止め塗料の塗装を行います。サビが発生していない鉄部の塗装であっても防サビを目的としてサビ止め塗料による下塗りを行います。

住宅の鉄部塗装によく使われるサビ止め塗料は、エポキシ樹脂タイプです。丈夫な塗膜をつくる安価な油性タイプの塗料もありますが、高い防サビ効果が期待できること、鉄部への密着性が高いことからエポキシ樹脂タイプの防サビ塗料が良く使われます。

ただし、紫外線や風雨、温度変化の影響を受けやすい特徴があるので、仕上げで使う塗料は適切なものを選ぶ必要があります。

油性タイプ

塗装後にできる膜が厚いため防サビ性に優れています。ただし、乾燥に時間がかかることもあり、安価ではあるが作業性の問題から最近ではあまり使われません。

合成樹脂タイプ

乾燥するまでの時間が早く、作業性もよい。防サビ性は油性タイプに劣る。

エポキシ樹脂タイプ

エポキシ樹脂にサビ止め顔料をいれた塗料。付着性、防食性、耐久性に優れているので、防サビ性に優れています。エポキシ樹脂が浸透することで、塗装の素地を補強する効果を持つため、塗り替え工事、新築工事において最も使われているサビ止め塗料です。

鉄部塗装は外壁塗装と合わせて行うことをおすすめします。サビによる劣化を放置すると見た目が悪くなるだけでなく、破損によって水漏れや落下事故につながる可能性があるからです。

 

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