透明な塗料!?「クリア塗装」のメリット・デメリットを解説
2024/04/05
クリア塗装(クリヤー塗装)は、無色透明な塗料を用いた塗装方法ですが、クリア塗装によってどのようなメリットがあるのか、また、クリア塗装のデメリットは何か。クリア塗装に向いている外壁と向かない外壁とは何か。
クリア塗装を施工する際のポイントを紹介します。
クリア塗装(クリヤー塗装)とは
クリア塗装(クリヤー塗装)と呼ばれる外壁への塗装方法が最近、注目されています。
無色透明な塗料を用いた塗装方法で、塗装工事が終わった後でも、外観がほとんど変わっていないため、塗装工事を施したのかどうか分かりにくい塗装方法です。
そのため、クリア塗装は、外壁の意匠性をそのまま生かしたい場合にぴったり合います。
クリア塗装と普通の塗料の違い
クリア塗装は無色透明の塗料ですが、普通の塗料と同じように上塗り塗料として利用できます。
普通の塗料には、顔料、添加剤、合成樹脂が入っていますが、クリア塗装には、顔料が入っていません。
顔料とは色の素です。顔料が入っていないために、クリア塗装を塗っても元の色を保つことができるわけです。
その他の点では、クリア塗装と普通の塗料に大きな違いはありません。
クリア塗装を施工した後の外観
クリア塗装を施工しても、外観は変わらないと書きましたが、全く変わらないわけではありません。
一般的には、クリア塗装を施工すると、外壁に艶が出ます。
そのため、施工前と比べると、外壁がキラキラと輝いているのが一目瞭然になり、新築時以上の輝きを放つこともあります。
もっとも、あまり艶が出過ぎるのは好みではないという方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、「艶あり」のクリア塗料ではなく、「3分艶」「艶なし」といった光沢感を抑えたクリア塗料を選ぶこともできます。
クリア塗装のメリット
クリア塗装は、普通の塗料と比べてどのようなメリットがあるのか確認しましょう。
外壁の意匠性やデザインを保てる
外壁の意匠性やデザインが気に入っている場合は、普通の塗料を塗装すると、その意匠やデザインが塗りつぶされてしまうため、塗装をためらう方も多いと思います。
そのような場合は、クリア塗装を選択するメリットがあります。
クリア塗装ならば、色のついた塗料により、意匠やデザインが塗りつぶされることはなく、そのままの状態を活かしたまま、外壁を保護できます。
チョーキング現象が起こりにくい
チョーキング現象とは、外壁材に用いられている塗料が劣化して微細なヒビが入っているため、触ると手に粉状の塗料が付いてしまう現象です。この時、手に付くのは、顔料です。
クリア塗装の場合、顔料を用いていないために、チョーキング現象が起こりにくいというメリットがあります。
塗装回数が少なく費用を抑えられる
クリア塗装は普通の塗料による塗装と塗装工程が若干異なります。
普通の塗料による塗装の場合は、「外壁の洗浄、下地調整、下塗り、中塗り、上塗り」の順に施工しますが、クリア塗装はこのうちの「下塗り」の工程が省かれます。
中塗り、上塗りの2回の塗りで完成するため、その分、工期が短く費用を抑えられるメリットがあります。
クリア塗装のデメリット
次にクリア塗装は、普通の塗料と比べてどのようなデメリットがあるのか確認しましょう。
外壁の劣化を隠せない
外壁の塗装は、劣化した外壁をリフレッシュする目的で行われるのが一般的です。
顔料の入った普通の塗料ならば、外壁が色あせしていても、塗装することで、外観を一新させることができます。
ところが、クリア塗装の場合は、外壁の色は変わらないため、色あせした状態で塗装してしまうとその状態が残ってしまいます。
また、塗装に先立って、ひび割れの補修などを行った場合は、補修した跡を色のついた塗料で隠せないため、目立ってしまうことがあります。
色あせや補修跡が目立つ場合は、クリア塗装ではなく、普通の塗料で塗装した方がよいです。
チョーキング現象により劣化が分からない
クリア塗装は、チョーキング現象が起こりにくい点がメリットと書きましたが、一方でデメリットになります。
チョーキング現象は、一般の方でも分かる外壁の劣化のサインです。チョーキング現象が表れたら、外壁の塗装を検討すべき時期に差し掛かっているわけで、この段階で塗装を行なえば、建物の下地を痛めることなく、外壁を長持ちさせることができます。
ところが、クリア塗装を塗った結果、チョーキング現象が表れない状態になると、一般の方には、外壁の劣化が分かりにくく、再塗装の時期を逃してしまい、外壁のみならず、下地まで痛めてしまいかねません。
このように外壁の劣化状況が分かりにくくなる点がデメリットと言えます。
シーリングの上に塗装できない
シーリングとは、外壁材のつなぎ目や外壁とサッシの隙間に充填されているゴム状の建材のことで、外壁の隙間から建物内部に雨水が浸み込むことを防止する役割を果たしています。
外壁塗装を行う場合は、このシーリングも一旦剥がして、充填し直すことが多いです。
この工程は、下地調整の段階で行い、塗装の際は、シーリングもまとめて塗料を塗ってしまい、保護するのが一般的です。
ところが、クリア塗装の塗料は、シーリングに塗ることができません。
クリア塗装を行っても塗膜がすぐにはがれてしまいますし、シーリングが収縮割れを起こしてしまうためです。
(h4)塗り残しに気付きにくい
クリア塗装は、塗った後で塗料の色が付かないだけに、塗り残しに気付きにくい点がデメリットです。
もちろん、プロの外壁塗装工事業者であれば、丁寧に塗装しますから、塗り残しがあることはめったにありませんが、それでも、全くミスがないとは言えません。
クリア塗装に向く外壁
クリア塗装と普通の塗装のどちらを選択すべきかは、外壁により異なります。クリア塗装に向く外壁を紹介します。
✅意匠性やデザイン性の高い外壁
意匠性やデザイン性の高い外壁は、普通の塗料で塗装してしまうと、せっかくのデザインが上塗りされてしまい、残念な外観になってしまうこともあります。
このような場合は、元の外壁を活かすために、クリア塗装を選んだ方がよいです。
✅タイル、レンガ、木材の外壁
タイル、レンガの外壁は、普通の塗料での塗装には向きませんが、外壁の保護機能を高める目的であれば、クリア塗装を選択することもできます。
また、外壁に木材を用いている場合も、普通の塗料で塗装してしまうと、素材の風合いが損なわれてしまうため、クリア塗装が選択肢に入ります。
クリア塗装に向かない外壁
クリア塗装に向かない外壁もあります。それぞれ紹介しましょう。
✅劣化が目立つ外壁
クリア塗装は、元の外壁の状態がそのまま維持されます。
それだけに、元の外壁の劣化がひどい場合は、その状態が維持されてしまうことを考慮しなければなりません。
元の外壁にひび割れがある場合は、塗装前に補修しますから、補修跡がどうしても目立ちます。
外壁の汚れ、コケ、藻がひどい場合も、塗装前に洗浄を行いますが、完全に落とせない場合は、汚れが残った状態でクリア塗装することになってしまいます。
このように外壁の劣化がひどい場合は、クリア塗装ではなく、普通の塗料による塗装で劣化跡を隠してしまうことを検討すべきです。
✅特殊塗料でコーティングされた外壁材
元の外壁材に光触媒、無機、フッ素といった特殊なコーティングが施されている場合は、クリア塗装は向きません。
こうした特殊塗料が施された外壁材は、元々耐用年数が長いですが、クリア塗装を行ってしまうと、却って塗料の劣化を早めてしまい、せっかくの耐用年数が短くなってしまう恐れがあります。
もっとも、こうした外壁のすべてで、クリア塗装が使えないわけではないため、詳しくは、専門の外壁塗装業者にお問い合わせください。
✅金属系サイディングの外壁
金属系サイディングの外壁は、クリア塗装との密着性が悪いため、クリア塗装を行うことはおすすめできません。
クリア塗装の塗料の種類
クリア塗装の塗料も普通の塗料と同じように様々な種類があり、価格や耐用年数が異なります。
・アクリル塗料……最も安い塗料ですが、耐用年数も5年〜7年程度と短めです。DIYでの施工向きです。
・ウレタン塗料……アクリル塗料よりも価格が高く、耐用年数も10年〜12年程度と長めの塗料です。
・シリコン塗料……外壁用として標準的に用いられている塗料です。耐用年数は12年〜15年程度です。
・フッ素塗料……外壁用としては高級塗料になります。耐用年数も15年〜20年と長めです。
・無機塗料……外壁用としては最も高級な塗料です。耐用年数も15年〜25年と最も長くなります。
クリア塗装はきれいな外壁の状態を維持保護するための塗装
上記までに紹介したように、クリア塗装は、元の外壁の風合いを活かした塗装方法になります。
そのため、クリア塗装を検討されているのであれば、元の外壁が劣化する前に行うことが肝要です。
クリア塗装は、劣化した外壁の補修を目的とするのではなく、きれいな外壁の状態を維持保護するために行うものだと考えてください。
新築時から10年未満がクリア塗装を検討すべき目安になります。
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ヨネザワ装工は千葉県市原市を中心に地域密着で塗装工事を行っている職人直営店です。
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クリア塗装は、塗り残しが分かりにくい欠点がありますが、ヨネザワ装工の職人は、その点も踏まえて、丁寧に施工することを心がけています。
クリア塗装のことはもちろんのこと、そのほかの塗料による外壁塗装、屋根の塗装やベランダ防水など、塗装に関することでお悩みの方は、まず、ヨネザワ装工にお問い合わせください。
お客様のお家を拝見させていただき、最適な塗装方法を提案させていただき、丁寧に施工します。