外壁塗装の訪問販売で注意すべきこと
2023/10/25
訪問販売にはさまざまな種類がありますが、訪問販売の業者に外壁塗装を勧められたという方も多いのではないでしょうか。
また、訪問販売には悪徳業者もいるため、そのまま依頼して問題ないか不安に思うかもしれません。
ただ、すべての訪問販売業者が悪徳業者というわけではありません。中には信頼できる業者も含まれているでしょう。
この記事では、訪問販売が信頼できるかどうかや、信頼できる業者の見分け方などについて解説します。
また、訪問販売で交わした契約を解除できるかどうかについても解説しています。
外壁塗装の訪問販売は信頼できる?
本来、訪問販売は営業手法の一つであるため、それ自体に問題があるわけではありません。
そのため、訪問販売ということだけで信頼できるかどうかを判断することはできません。
ただ、訪問販売では気をつける必要があるという点は事実です。
残念ながら、訪問販売業者の中には悪徳業者も存在します。
そのため、このような訪問販売の悪徳業者にだまされてしまうことも少なくありません。
そのため、訪問販売の業者に依頼するかどうかは、しっかりと見抜く必要があります。
信頼できない外壁塗装の訪問販売の特徴
ここでは、信頼できない外壁塗装の訪問販売業者の特徴について解説します。
ここで紹介する内容に一つでも当てはまる場合は、その業者に依頼するのはやめたほうがいいかもしれません。
不安をあおりその場で契約を迫る
「外壁が大変なことになっている」
「このまま放っておくと雨漏りする」
などのように、不安をあおるようなことを言い、その場で外壁塗装の契約を迫るような業者は、信頼できる業者とは言えません。
外壁については、外から見ただけではどのような状況なのかは正確にはわかりません。
実際、本当は外壁に問題がないのに事実と異なることを言うことで、不安をあおって契約させる悪徳業者も存在します。
もし実際に外壁に問題があった場合でも、信頼できる業者であれば、その場で契約を迫るようなことはありません。
信頼できる業者の場合、まずはしっかりと点検した上で、劣化状況を詳しく説明し、後日改めて訪問し、見積書を用いて説明してから契約の話をするはずです。
訪問販売の業者に、外壁が大変なことになっていると言われたことが不安になるのなら、別の業者に点検してもらい、訪問販売の意見が事実かどうか確認するようにしましょう。
また、別の業者に点検してもらい提案を受けることで、提案内容や見積額の比較・検討ができるため、外壁塗装をすることになった場合でも、より妥当な選択ができるはずです。
点検せずに見積書を作成する
外壁がどのような状態なのかは、外から少し見ただけでは正確な見積書を作成することはできません。
そのため、突然やってきて点検もせずにその場で見積書を作成する業者は、信頼できない業者と考えて問題ないでしょう。
信頼できる業者の場合、時間をかけて点検します。
この点検は見積書を作成するために重要です。
見積書を作成するためには、外壁の正しい面積や必要な補修工事などの情報が必要ですが、これらの情報は詳しく点検をしないとわかりません。
点検せずに作成した見積書では、その内容はかなりずさんなもののはずです。
また、見積書の金額が相場よりもかなり高額になっているかもしれません。
大幅な値引きを提示する
「工事費用半額」「足場代無料」など、大幅な値引きを提示する業者も信頼できない業者と言えます。
大幅な値引きは顧客側にとってはありがたいように思えますが、本来であれば外壁塗装の費用を大幅に値引きできることはないためです。
外壁塗装の金額は定額になるものではなく、住居の外壁の面積や使用する塗料の種類、工事内容によって金額は異なります。
見積金額は住居によって異なるため、そこから大幅に値引きをするというのはありえない話です。
また、足場代を無料にするのも無理な話です。
足場代には、足場の材料と運搬費、足場を組む施工費・解体費等が含まれています。
そのため、一般的に足場代は高額になるため、これをすべて無料にできるはずがありません。
実際には、大幅な値引きと言いながら、本来よりもかなり高額な見積金額を提示し、値引きしているように見せかけているだけという可能性もあります。
さらに、実際の施工で塗料などの材料のグレードを下げたり、治療の使用量を減らしたり、工事の工程を省略して短縮するなど、工事の品質を下げる場合もあります。
どのケースについても、消費者を騙すような金額提示をしている業者を信頼できるはずがありません。
会社の所在地がわからない
会社の所在地についても、信頼できない業者を見抜くためのポイントです。
会社がどこにあるのかわからない、聞いてもはっきりと教えてくれないなど、会社の所在地がよくわからない場合は、信頼できない業者の可能性があります。
会社の所在地を明確にしていない場合は、業者は電話などの連絡を断つことで、姿をくらませることができるためです。
また、会社の所在地が明確になっている場合でも、その住所にある建物がワンルームマンションやアパートの一室であるような場合も、その業者を疑ったほうがいいかもしれません。
アパートやマンションが所在地であると信頼ができないというわけではありませんが、疑わしい部分があるということは考慮しておきましょう。
訪問販売で交わした外壁塗装の契約を解除する方法
訪問販売の業者と外壁塗装の契約をしてしまった場合でも、その契約を解除できる可能性があります。
ここでは、契約を解除する方法について解説します。
契約書を受け取ってから8日以内であれば契約解除できる
訪問販売で交わした外壁塗装の契約の場合は、クーリングオフが適用される取引となります。
そのため、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリングオフ(契約解除)が可能です。
クーリングオフとは、特定の取引に限って、契約後も一定の期間であれば無条件で契約の解除ができる制度のことです。
これは、すでに工事が始まっている場合であっても、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリングオフが可能です。
もし工事によって建物の状態が変更されている場合は、業者に無償で元の状態に戻してもらうことができます。
また、クーリングオフをすれば、すでに支払ったお金はすべて返金されます。違約金などを支払う必要もありません。
契約書を受け取ってから8日を過ぎていても契約解除できる可能性がある
訪問販売で交わした外壁塗装の契約をクーリングオフできるのは、契約書面を受け取ってから8日以内が原則です。
ただし、8日を過ぎていても、クーリングオフが可能な場合があります。
・契約書面を受け取っていない
・契約書面の記載内容に不備がある
・クーリングオフ妨害があった
(業者に「クーリング・オフはできない」などと言われ期間が過ぎてしまったなど)
・業者が事実とは異なることを言って勧誘した
これに該当する場合は、クーリングオフができます。
第三者機関に相談する
クーリングオフできるかどうか判断できない、クーリングオフの方法がわからない、業者が対応してくれないなど、訪問販売の契約でトラブルになっている場合は、第三者機関に相談しましょう。
相談先としては、
・国民生活センター
・全国の消費生活センター
・経済産業省消費者相談室
があります。
知っておきたい外壁塗装の知識
悪徳業者にだまされないためには、外壁塗装についてある程度の知識をつけておくことが重要です。
専門性の高い内容まで理解できていなくても、大枠の知識を知っておくだけで、業者とやり取りをする中でおかしい部分に気づけることがあります。
外壁塗装が必要な外壁の劣化症状について
外壁塗装が必要かどうかは、一般的に外壁の劣化症状で判断します。
外壁塗装が必要となる劣化症状としては、以下のものがあります。
・色あせ
・チョーキング(手で触ると白い粉がつく症状)
・塗膜の剥がれ
・カビ・苔・藻の発生
・ひび割れ
・錆の発生
もし、訪問販売の業者に、すぐに外壁塗装が必要と言われた場合は、このような劣化症状がないかどうか外壁を確認してみてください。
自分で確認してもよくわからない場合は、別の業者に点検を依頼してみてください。
「各劣化症状の豆知識」
外壁塗装の費用相場
一般的な外壁塗装の費用相場を知っておくことも、悪徳業者を見分ける参考になります。
一般的な2階建ての住宅(外壁の面積が200平方メートル)の場合の外壁塗装の費用相場は、80万円〜150万円となっています。
ただし、この費用相場はあくまで目安です。
外壁塗装の費用は、外壁の面積や工事内容、塗料の種類などによって大きく異なることがあります。
ただ、同じような住宅で明らかに高額な費用を提示される場合があります。
もし相場よりも大きく異なる場合は、高額になっている理由を業者に確認するようにしましょう。高額である説明がはっきりしない場合は、悪徳業者である可能性が高いと言えます。
まとめ
ここまで、外壁塗装の訪問販売について、信頼できる業者の見分け方や契約を解除する方法、知っておきたい外壁塗装の知識について解説しました。
外壁塗装の訪問販売をする業者がすべて悪徳業者というわけではありませんが、中には悪徳業者が存在しているのは事実です。
そのため、訪問販売の業者に外壁塗装を依頼する場合は、本当に依頼をしても問題がないか、しっかり見極めることをおすすめします。
また、訪問販売の業者と外壁塗装の契約をした場合でも、契約書を受け取ってから8日以内であれば契約解除が可能です。
もしトラブルが解決しない場合は、第三者機関に相談することをおすすめします。