外壁塗装の見積もりにおける注意点と見極めるポイント
2023/07/21
住宅の外壁塗装工事を依頼する前に、複数の業者から見積書を取得するのが一般的です。
見積書の内容を比較検討することで施工業者を選定しますが、見積書の細かい部分まで確認せずに決めてしまうと、後々問題が発生する可能性があります。
本記事では、外壁塗装の見積書を吟味する際の重要なチェックポイントと、トラブルを防ぐためのアドバイスをご紹介します。
見積書の必須項目と確認事項
外壁塗装工事の見積書は、工事の品質と費用を判断する重要な書類です。見積書の内容を詳しく見ていきましょう。
下地処理費用の内訳
外壁塗装の第一段階は下地処理です。「高圧洗浄」と「ケレン作業」が含まれ、これらの費用は個別に明記されているべきです。
・洗浄作業
外壁の汚れを落とすため、通常は高圧洗浄機を使用します。特別に状態の良い壁面以外は、必ず高圧洗浄が必要です。洗浄後の乾燥時間(1~2日)も工程表に記載されているか確認しましょう。
・ケレン作業
高圧洗浄後も残る汚れや古い塗膜を除去する重要な工程です。見積書には、具体的なケレン作業の種類と、その作業にかかる個別の費用が明確に示されているべきです。
塗装費用
塗装作業は複数の工程で構成され、「下塗り塗装」「中塗り塗装」「上塗り塗装」の3段階で実施します。それぞれの工程で丁寧に塗装を重ねることで、より耐久性の高い仕上がりを実現できます。
外壁の劣化状態によって、下塗り塗装の回数を増やす必要が生じる場合があります。
ヨネザワ装工では下地の状態に関わらず、下塗りは必ず「2回」行うように徹底しております。
見積書には、各工程の詳細な作業内容が明記されているべきです。
・塗料の代金
各工程で使用する塗料は、それぞれ異なる特性を持っています。外壁の素材や環境に適した塗料を選定し、各層の相互作用も考慮しながら最適な組み合わせを決定します。見積書には、使用する塗料の「数量」と「製品情報」が明確に記載されているか確認が必要です。
足場工事費用
外壁塗装では、2階建て以上の建物に対して安全な作業環境を確保するため、足場の設置が不可欠です。足場の設置・撤去には専門的な技術と時間を要するため、建物の規模に応じた費用が発生します。
養生費用
作業中の塗料飛散から建物や周辺環境を守るため、入念な養生作業が必要となります。施工箇所周辺の窓やドア、ベランダはもちろん、駐車している車両や自転車、隣接する建物まで保護シートで覆います。
適切な養生は塗装トラブルを未然に防ぐ重要な工程であり、養生資材費と作業人件費が必要となります。
外壁塗装の見積書で重要な確認事項
外壁塗装の見積書を評価する際は、単なる価格比較だけでなく、各項目の詳細な内容を精査することが大切です。
以下に、見積書を確認する際の重要なポイントをご説明します。
塗装工程の回数確認
高品質な仕上がりと長期的な耐久性を確保するためには、「3度塗り」が不可欠です。施工内容に塗装回数が明記されているか必ず確認してください。
一部の業者は回数を明記せずに1回塗りのみで済ませることがあり、後日問題が発生しても「3度塗りの明記なし」を理由に対応を拒否されるケースがあります。
塗料の製品情報を確認
使用される塗料の詳細は見積書の中で最も注意を払うべき点です。
信頼できる「日本ペイント」「関西ペイント」「エスケー化研」などの国内大手メーカーの製品が推奨されます。不明確な製品名や知名度の低いメーカー名が記載されている場合は要注意です。
塗料種別による適正価格の確認
塗料の種類によって標準的な価格帯が設定されています。以下の1㎡あたりの単価を参考に、見積価格の妥当性を判断しましょう。
・アクリル塗料 1000~1200円
・ウレタン塗料 1800~2000円
・シリコン塗料 2500~3500円
・フッ素塗料 3500~4500円
・光触媒塗料 5000~5500円
塗料グレードの一貫性確保
屋根と外壁の塗装を同時に行う場合、使用する塗料の性能レベルを揃えることが推奨されます。性能差が大きいと、部位によってメンテナンス時期にずれが生じ、追加工事が必要になる可能性があります。
曖昧な費用計上の確認
見積書に「一式」「諸費用」といった包括的な表現がある場合は警戒が必要です。特に下地処理などの重要工程について、具体的な作業内容が明記されているか確認してください。
外壁塗装の見積書における要注意ポイント
外壁塗装の見積書を精査する際に、特に注意が必要な項目をご説明します。
✓塗料の詳細が不明確
見積書には各工程(下塗り・中塗り・上塗り)の塗装内容が記載されているはずですが、使用する塗料の具体的な情報が欠如しているケースがあります。
塗料の製品名やメーカー名が明記されていない場合は、見積もりの信頼性に疑問が残ります。
✓塗料欄に「オリジナル塗料」の表記
最近の見積書で時折見かける気になる表記です。
「弊社オリジナル塗料」という記載がある場合は要注意です。
施工業者が大手メーカー以上の性能を持つ塗料を独自開発しているというのは現実的ではありません。
このような独自塗料は性能や品質の検証が難しく、インターネットでも情報を得られないため、リスクが高いと言えます。
結果として、品質も効果も不確かな塗料で施工されることになりかねません。
✓工事内容の説明不足
見積書は具体的で詳細な内容が記載されているべきです。
「一式」という簡略な表記だけでは、実施される工事の詳細が不明確で、手抜き工事のリスクも懸念されます。
別紙で詳細説明を提供する業者もありますが、そのような補足資料なく「一式」と記載されているだけの場合は警戒が必要です。
✓過大な諸経費
塗料代などの明確な費用項目以外に、「諸費用」の金額に注意が必要です。
細かな経費を一括計上する際、不当に高額な金額設定がされている可能性があります。
総工事費の5%程度までが適正範囲で、それを超える場合は内訳の確認をお勧めします。
✓足場工事の仕様確認
外壁塗装には足場の設置が不可欠ですが、見積書に「足場(クサビ式)」の明記があるか確認が重要です。
足場工事には「単管足場」と「クサビ式(ビケ)足場」の2種類があります。
単管足場は鉄パイプを単純に組み合わせた簡易的な構造です。
安全性と安定性に欠け、質の高い外壁塗装作業には適していません。
さらに、2m以上の高所作業では労働安全衛生法により使用が認められていません。
一方、クサビ式足場は業界標準の工法で、パイプ構造に作業用の踏み板を組み込んだ安全な足場です。
法令上、クサビ式足場の使用が必須となりますが、コストと手間を省くため、一部の業者が不適切な単管足場を使用するケースがあります。
「足場代無料」や「格安足場」をアピールする業者で、足場の仕様が不明確な場合は、十分な注意が必要です。
相場を大きく下回る見積もりには要注意
外壁塗装は大きな投資となるため、費用を抑えたい気持ちは理解できますが、相場から著しく「安価」な見積もりには警戒が必要です。
通常よりも大幅に安い見積もりには、必ず何らかの理由や問題が隠されています。
その代表的な例として「塗料の不適切な希釈」が挙げられます。
これは施工費用を削減する最も容易な方法の一つとされています。
コスト削減を優先するあまり、塗料を過度に希釈して使用するケースが見られます。
このような手法は塗装の品質を著しく低下させ、耐久性にも悪影響を及ぼすため、決して推奨できません。
まとめ
外壁塗装工事は、住宅の美観と耐久性を左右する重要な投資です。工事費用は決して安価ではありませんが、それだけに慎重な判断が必要となります。適切な施工により、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持することができます。
質の高い施工を実現するためには、「見積書」の詳細な確認が非常に重要となってきます。見積書は単なる価格の提示ではなく、業者の専門性や誠実さを判断する重要な指標となります。
本記事でご紹介した各チェックポイントを参考に、見積書を丁寧に精査し、信頼できる業者を選定することで、満足のいく外壁塗装工事を実現することができます。しっかりと見積書を確認して、あなたの大切な住まいを任せられる優良な業者を選んでいきましょう。
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